私達夫婦が店をもったのは、下町、鉄砲州は隅田川を歩いて10分位の所謂、下町路地裏、3軒長屋にはさまった殆ど人通りのない、夜は明かりの付かない、老人が住む暗い町内でした。
解体工事は進み、看板は取り外され、「The 黒船屋一代」のTheもいらなくなりました。常連の皆様がご覧になったら、なんと、ナントでしょう。
なんとといえば、「ナント」の詩、以前ブログで紹介しましたよね。
今、それを読み返し、その町のグラジュウ―ル 街25番地は私達の当時 隅田川 リーバー サイド バンテアン21と呼ばれた 開発時代を偲ばせます。
ナントに雨が降る
忘れはしない
ナントの空は 心を滅入らせる
私は 往年の若かりし時代
よく 溜め息混りに口を付いて出る
こんな 言葉を 思い出すのですが!
「嗚呼 なんと ね!」
話は変わって今、私はフランス語教室に毎週一回通っています。
まだ半年位になりますが、若い人に交じり、勿論、私が最高齢者86才の初心者。耳もよく聞き取れません(笑)男生徒は3人、殆ど女性が占めます。それでも教室の帰りに他の生徒とお茶を飲みに行く仲になりましたよ。
勉強は人知れず苦労の連続。娘からもらった文法の本を片手に宿題と格闘です。
そして、先日、教室でフランスへの旅行の話になりました。それぞれ皆さん有名な避暑地の方を口にします。
そして私の番です。思いつかないまま、つい口について出た土地名が「ナント」でした。ブランス語教師は女性で、このシャンソンをご存じで、直ぐ、「バルバラの歌っている曲ですね。」と口添えしてくれましたよ。
「マダム、どうか グランジュウル、街25番地にお越しになって下さいませんか!
彼は もう短い命! 貴女に 一目とそれが希みなのです!」
これが私にとりついた「ナント」の地名です。