2013年9月14日土曜日

息子へ

 区役所から米寿のお祝いを貰い、その買い物券で、佃煮を買うのに使うってしまおうとあれもこれもと買いましたら、買い物券の額をオーバして、なけなしの自腹を使い果たしました。もう、やはり高齢者です。

 高齢者になった私のその生き方は・・・ふと、「葉隠」の一節を思い出しました。

「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり。」

 若い頃はこの言葉を剣の秘伝のように思いすましていましたが、近頃、ママに言われたのです。 

「あなたは私が生きてるうちに死んで下さい。私は自分の身体のことはよく分かっています。 私はあと五年ですね。だから、あなたはあと四年で死んで下さい。」  

 生き様を教えられましたよ。さすがママだよ。他人さまが「そんなことを言ってくれる奥さんなんて、今時、どこにもいないよ。素敵な奥さんだよ。」と言ってくれました。
 私は四年では、切腹以外では、死ねません。
 人生とは、上下二本の道を歩いてるようなもの。上の道は世間を義理人情だけでいい。もう一つの下の道は・・・やり遂げられないとしても、人目に付かなくても、死ぬまでやり遂げたい願いを抱いてあちら側に行くこと。
 私は、男親を知らず、泣き笑いもせず、人に怒り手を上げず、女も知らず、軍隊には入りました。  

 では、また、勉強が遅れるので。息子よ、頑張れよ。