2011年2月9日水曜日
2011年2月8日火曜日
ジャズクラブ J 第3回 新宿御苑からJへ
「横断歩道はここ!パパ、ちゃんと渡るわよ!」
車道を出て、右を遠く眺めると、懐かしいあの伊勢丹の字が見えるネオンの看板の灯り。そうか私は新宿駅は左の方向と思って歩いていたけれど、私達はだんだん四谷大木戸の方から入れる御苑裏口の近くに来ているのだ。
また、私は淀橋にいた頃を思い出します。もう八丁堀の豆まきは終わりましたが、淀橋の鬼王神社の豆まき、甘酒、テント小屋の地獄極楽めぐり。九段靖国神社のお祭り。ここのお祭りの出しものは、あの日の昭和を憧れる懐かしさがあります。
いくつもテント小屋。其の前の、呼び込みのあの声。あの口上を見上げながら見てるうちに、半日はアッという間に過ぎるのです。口上の合間に、後ろの幕を、チョット引き上げて中を覗かせてくれるのも、わくわくするのです。
ロクロックの首の女。そうかと思うと、
「サア、サアーこれは二度と見られない、世にも不思議な大イタチ。見なけりゃ損 ソン。驚かなければお代はいらない!」
つられて中に入ると小屋をグルリと回れるように、縄で柵が張られていて、真ん中に大きなドラム缶が置いてあり、その上にでっかいまな板が乗っけられてあります。板の上には血糊を思わせる色がベッタリ。
「サア サア、 これが世にも不思議な大板血だよ。」
フランス映画の天井桟敷、犯罪大通り、あの名女優 アル レッテイが見せ物小屋でドラム缶に身を沈めて
水の中に座りこむ姿はまだ絵になりますが、こちらの大イタチは、落語のオチにもなりませんね。
それでも入場料を払った人達は苦笑いするだけで裏口から、さも面白かったと、見物人の顔を見ながら出て行くのです。靖国神社だもの、だますのも、だまされるのも芸の中さ。
イメルダは反対側の歩道を歩きながら、ブツブツ云いながらJのクラブを「確かこの辺りに、昔、厚生年金ビルがあった筈・・・」そして一寸その辺で聞いてみます。でも近在の何処のビルも殆ど明かりが点いてはいません。彼女はビルの薄暗い通路から出てくる初老の紳士を目ざとくみつけました。彼女は直ぐ駆け寄っていきました。その人は昔の厚生年金ビルと云う言葉にすぐ反応を示してくれました。それは彼女が記憶してたとは反対の方向を指さしていました。
「反対側に渡り、あの紅い中華料理の看板の傍にあるはず。」
男の人の言葉は的確に教えましたよ、と迷いがありません。彼女は納得できず憮然としています。
「嘘よそんな筈絶対ない。あの人私達をからかったのよ。」
もう先の方に行った人の後を追いかけようとします。
私「まぁ、急ぐことでもなし、ほら、信号も青だし渡ろう。」
仕方なく彼女も私と渡ってくれました。女性は強い、いいや、美女は怖いというべきかな。
7時半開演迄、あと10分です。急がなければ。中華料理店はもう目の先。彼女が立ち止まりました。この地下に、それらしきクラブがあるわ。でもJでは有りません。
もうひとつ先に私の気になるシャンソン クラブ!気になる二人は下まで降りてしまいました。廊下の壁にはよく見知ったシャンソン歌手のポスターがいくつも貼られ、壁際に置かれたプログラムの案内が積み重ねられてあります。廊下の奥からロングドレスを着、付け髪を垂らした女性、多分ここのシンガーなのでしょう。ドアーの中に消えました。入れ替わりに、ギャルソンが現れ、店の説明、歌手などを説明してくれましたが、時間帯を2時間置きに会費、入場料も違うみたい。とりあえず パンフレトを貰って逃げ出しました。横断歩道を渡りワンブロク捜しましたがJは見つかりません。
「矢張り、絶対最初捜したところよ。」とイメルダ。又、横断歩道を急ぎ渡りましたね。そしてここはあの初老の紳士に彼女がJの店を聞いたところ。もうここのビルの一画は真っ暗。流石に彼女も
「この表通りは諦め、この先のビルの横町を探しましょう。」と歩きかけた時、ビルの前の駐車場を眺めたら、低い立て札に『Jジャズクラブ』と矢印 が書かれてあるではありませんか!
「パパ、パパ!あのビルの地下の入り口看板にJジャズクラブ!さっきの男の人の隣のビルよ!やっぱり、あいつ私達をからかったのだわ!」
また、彼女の怒りに火が付きました。 私は、でもこう云う街のビル街は、下町と違って隣同士の付き合いなどないよなと思いつつ、やっと目的のクラブの階段を降りることが出来ました。
この続きはサンフランシスコの娘のところで書きます!
車道を出て、右を遠く眺めると、懐かしいあの伊勢丹の字が見えるネオンの看板の灯り。そうか私は新宿駅は左の方向と思って歩いていたけれど、私達はだんだん四谷大木戸の方から入れる御苑裏口の近くに来ているのだ。
また、私は淀橋にいた頃を思い出します。もう八丁堀の豆まきは終わりましたが、淀橋の鬼王神社の豆まき、甘酒、テント小屋の地獄極楽めぐり。九段靖国神社のお祭り。ここのお祭りの出しものは、あの日の昭和を憧れる懐かしさがあります。
いくつもテント小屋。其の前の、呼び込みのあの声。あの口上を見上げながら見てるうちに、半日はアッという間に過ぎるのです。口上の合間に、後ろの幕を、チョット引き上げて中を覗かせてくれるのも、わくわくするのです。
ロクロックの首の女。そうかと思うと、
「サア、サアーこれは二度と見られない、世にも不思議な大イタチ。見なけりゃ損 ソン。驚かなければお代はいらない!」
つられて中に入ると小屋をグルリと回れるように、縄で柵が張られていて、真ん中に大きなドラム缶が置いてあり、その上にでっかいまな板が乗っけられてあります。板の上には血糊を思わせる色がベッタリ。
「サア サア、 これが世にも不思議な大板血だよ。」
フランス映画の天井桟敷、犯罪大通り、あの名女優 アル レッテイが見せ物小屋でドラム缶に身を沈めて
水の中に座りこむ姿はまだ絵になりますが、こちらの大イタチは、落語のオチにもなりませんね。
それでも入場料を払った人達は苦笑いするだけで裏口から、さも面白かったと、見物人の顔を見ながら出て行くのです。靖国神社だもの、だますのも、だまされるのも芸の中さ。
イメルダは反対側の歩道を歩きながら、ブツブツ云いながらJのクラブを「確かこの辺りに、昔、厚生年金ビルがあった筈・・・」そして一寸その辺で聞いてみます。でも近在の何処のビルも殆ど明かりが点いてはいません。彼女はビルの薄暗い通路から出てくる初老の紳士を目ざとくみつけました。彼女は直ぐ駆け寄っていきました。その人は昔の厚生年金ビルと云う言葉にすぐ反応を示してくれました。それは彼女が記憶してたとは反対の方向を指さしていました。
「反対側に渡り、あの紅い中華料理の看板の傍にあるはず。」
男の人の言葉は的確に教えましたよ、と迷いがありません。彼女は納得できず憮然としています。
「嘘よそんな筈絶対ない。あの人私達をからかったのよ。」
もう先の方に行った人の後を追いかけようとします。
私「まぁ、急ぐことでもなし、ほら、信号も青だし渡ろう。」
仕方なく彼女も私と渡ってくれました。女性は強い、いいや、美女は怖いというべきかな。
7時半開演迄、あと10分です。急がなければ。中華料理店はもう目の先。彼女が立ち止まりました。この地下に、それらしきクラブがあるわ。でもJでは有りません。
もうひとつ先に私の気になるシャンソン クラブ!気になる二人は下まで降りてしまいました。廊下の壁にはよく見知ったシャンソン歌手のポスターがいくつも貼られ、壁際に置かれたプログラムの案内が積み重ねられてあります。廊下の奥からロングドレスを着、付け髪を垂らした女性、多分ここのシンガーなのでしょう。ドアーの中に消えました。入れ替わりに、ギャルソンが現れ、店の説明、歌手などを説明してくれましたが、時間帯を2時間置きに会費、入場料も違うみたい。とりあえず パンフレトを貰って逃げ出しました。横断歩道を渡りワンブロク捜しましたがJは見つかりません。
「矢張り、絶対最初捜したところよ。」とイメルダ。又、横断歩道を急ぎ渡りましたね。そしてここはあの初老の紳士に彼女がJの店を聞いたところ。もうここのビルの一画は真っ暗。流石に彼女も
「この表通りは諦め、この先のビルの横町を探しましょう。」と歩きかけた時、ビルの前の駐車場を眺めたら、低い立て札に『Jジャズクラブ』と矢印 が書かれてあるではありませんか!
「パパ、パパ!あのビルの地下の入り口看板にJジャズクラブ!さっきの男の人の隣のビルよ!やっぱり、あいつ私達をからかったのだわ!」
また、彼女の怒りに火が付きました。 私は、でもこう云う街のビル街は、下町と違って隣同士の付き合いなどないよなと思いつつ、やっと目的のクラブの階段を降りることが出来ました。
この続きはサンフランシスコの娘のところで書きます!
2011年2月1日火曜日
ジャズクラブ J 第2回 丸の内線で新宿御苑
やっと日比谷線を抜け出して丸の内線に移動します。二人の歩く先は何んとなく「犬も歩けば棒に当たる」と云う感じでしたね。
私は階段を降りると、すぐ左側から入ってきた電車に直ぐ乗ろうとしました。私が今歩いてきた道は、東から西に向って歩いてい来たのだから西に向かって走る電車なら、新宿行きとの思い込みが強いのです。 イメルダさんから声がとびます。
「それは反対方向に行くわよ!こっち側から乗るの!」
私には何故か自分が立っている点の地球の平面図が認識出来ません。何故又東へ戻るのか?後でこれも我が家の奥さんに聞かされました。
「丸の内は堀に仕切られた城郭の下を抜ける地下鉄です。唯、真っ直ぐトンネルを掘って行くことなんか出きるはずは無いでしょう。堀に沿って円形に回り道を作らなければいけないの。だから、丸の内線でしょう。」
なるほど、だから北西へ回っているのか。新宿御苑前はすぐでしたね。でも、新宿と云うイメージは有りません。歩道の灯りも暗く、店の眩ばゆい光も見当たらず、淀橋の小学校にいた頃の、太宗寺付近を思い出していました。ここの仁王様が見たくても、何時も薄暗く、覗く勇気が出ないのです。
イメルダさんはそんな私の昔の回想など知るよしもなく、どんどん御苑方向に足を伸ばしています。横道に入るとそれなりに店の灯りも人恋しく瞬きます。
私 「もうJは此の近く?」
イメルダさん 「そう、もうこの横町を出た通りの向こう側ですよ。でも7時半まで時間が余るわ。ブログに載せる写真をとりながら、何処かのお店で休みましょう。」
私 「美味いコーヒーが飲めそうなところがいいな。」
さて、捜すとなるとそんな店は有りません。食べ物屋、あとは飲み屋ばかり。でも横町の角に、外から中の見える明るい店。でも客は誰もいませんね。カウンターの棚を見れば、ここはワインバーですね。でも一応イメルダさんがききます。
「コーヒー飲めますか?」
「コーヒーは飲めますが食事はもう終わりましたが。」
「コーヒーだけでいいです。お願いします。」
なにはともあれ、コヒーは飲めました。でも、その店はなんとなく奇妙な店。客がこの時間一人もいない、カウンターの中に紅いベストを来たバーテンダーが四人、その奥にキッチンのシェフが一人、顔が見えます。もしかしたら私達は昼の部とこれから夜の部の交代時間に飛び込んだのかも知れません。バーテンはカンターの中では、なにかしら手を動かし客が居なくてもグラスなどふき、動いているものですよ。でもここの四人は前のテーブルを見つめたまま。従業人と云う雰囲気がありません。兄弟、親族の素人ぽい集まり?一寸水を一杯貰い、話しかけてみました。
「店は何時迄開けているんですか?」
「十一時までです。」
「じゃあ、これからですね。」
「もうこれで終わりです。皆、地下鉄に潜り込んでしまいます。この辺を歩く人はカップルだけです。」
そう云われれば、私達二人もそんなもんかも。昔の赤線地帯から、四谷、大木戸あたりは格好のデートコースだよな。新宿は、歌舞伎町界隈、新宿区役所通あたりしか人は集まらないみたいですね。
愛称をこめてイメルダと呼ばせて貰うね。
「イメルダ!どっち側にJはあるの?」
「パパ、この携帯ではうまく撮れないから、カメラで撮るよ。そこに立ってこっち見て。」
Jはその大通を渡れば、右側だと思うけど、ここからが本格的ジャズクラブJを捜すことになるのですが、さて?
つづく
私は階段を降りると、すぐ左側から入ってきた電車に直ぐ乗ろうとしました。私が今歩いてきた道は、東から西に向って歩いてい来たのだから西に向かって走る電車なら、新宿行きとの思い込みが強いのです。 イメルダさんから声がとびます。
「それは反対方向に行くわよ!こっち側から乗るの!」
私には何故か自分が立っている点の地球の平面図が認識出来ません。何故又東へ戻るのか?後でこれも我が家の奥さんに聞かされました。
「丸の内は堀に仕切られた城郭の下を抜ける地下鉄です。唯、真っ直ぐトンネルを掘って行くことなんか出きるはずは無いでしょう。堀に沿って円形に回り道を作らなければいけないの。だから、丸の内線でしょう。」
なるほど、だから北西へ回っているのか。新宿御苑前はすぐでしたね。でも、新宿と云うイメージは有りません。歩道の灯りも暗く、店の眩ばゆい光も見当たらず、淀橋の小学校にいた頃の、太宗寺付近を思い出していました。ここの仁王様が見たくても、何時も薄暗く、覗く勇気が出ないのです。
イメルダさんはそんな私の昔の回想など知るよしもなく、どんどん御苑方向に足を伸ばしています。横道に入るとそれなりに店の灯りも人恋しく瞬きます。
私 「もうJは此の近く?」
イメルダさん 「そう、もうこの横町を出た通りの向こう側ですよ。でも7時半まで時間が余るわ。ブログに載せる写真をとりながら、何処かのお店で休みましょう。」
私 「美味いコーヒーが飲めそうなところがいいな。」
さて、捜すとなるとそんな店は有りません。食べ物屋、あとは飲み屋ばかり。でも横町の角に、外から中の見える明るい店。でも客は誰もいませんね。カウンターの棚を見れば、ここはワインバーですね。でも一応イメルダさんがききます。
「コーヒー飲めますか?」
「コーヒーは飲めますが食事はもう終わりましたが。」
「コーヒーだけでいいです。お願いします。」
なにはともあれ、コヒーは飲めました。でも、その店はなんとなく奇妙な店。客がこの時間一人もいない、カウンターの中に紅いベストを来たバーテンダーが四人、その奥にキッチンのシェフが一人、顔が見えます。もしかしたら私達は昼の部とこれから夜の部の交代時間に飛び込んだのかも知れません。バーテンはカンターの中では、なにかしら手を動かし客が居なくてもグラスなどふき、動いているものですよ。でもここの四人は前のテーブルを見つめたまま。従業人と云う雰囲気がありません。兄弟、親族の素人ぽい集まり?一寸水を一杯貰い、話しかけてみました。
「店は何時迄開けているんですか?」
「十一時までです。」
「じゃあ、これからですね。」
「もうこれで終わりです。皆、地下鉄に潜り込んでしまいます。この辺を歩く人はカップルだけです。」
そう云われれば、私達二人もそんなもんかも。昔の赤線地帯から、四谷、大木戸あたりは格好のデートコースだよな。新宿は、歌舞伎町界隈、新宿区役所通あたりしか人は集まらないみたいですね。
愛称をこめてイメルダと呼ばせて貰うね。
「イメルダ!どっち側にJはあるの?」
「パパ、この携帯ではうまく撮れないから、カメラで撮るよ。そこに立ってこっち見て。」
Jはその大通を渡れば、右側だと思うけど、ここからが本格的ジャズクラブJを捜すことになるのですが、さて?
つづく
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