
一丁目の喪の家が、二丁目の町内会の建物で葬儀のテントを張った。
青年団は町内会のテントで揉めるのだ。
曲がりくねって路地は二百十日を過ぎて行った。
さすがに朝顔も衰え、枯れ始め、だが、カマキリは枝に縋りついたままだった。
濡れた木の幹から横に広がる枝との年輪の不思議。何故か昔読んだ本の中に
「丁抹」(デンマーク)の王子と書かれた字が分からず
「丁稚」(でっち)の王子と読んだ詩が有ったことを思い出した。
友人と電話で話さなければならないが、これは人間の言葉で話さなければならない。
「西日」は夏の季語で「処暑」は秋の季語である。
二つは 同時には使えない。
一丁目と二丁目と曲がりくねって、喪を辞して、帰る女を送ったら
西日はもう秋の気配だった。
喪を辞して 西日に透ける 女 かな
ノブ
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